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会員活動
活躍する卒業生

工藤貴弘先生(平成7年卒)

平成7年に薬学部薬学科を卒業。同年に薬剤師資格を取得、全国土木建築国民健康保険組合総合病院厚生中央病院薬局に入局。平成18年に薬剤部主任、平成20年に薬剤部科長・医薬品安全管理責任者、平成30年に薬剤部長、院長補佐となり現在に至る。
日本医療情報学会認定医療情報技師、目黒区病院薬局長懇話会(代表幹事)
卒業してから現在までのお話を聞かせてください ・・・
私は生薬学教室に在籍していたのですが、当時の教授であられた大本太一先生にご紹介いただき縁あってこの病院に入職する機会を得ました。平成7年に卒業してからになりますので、今年で勤続20数年になります。今から10年前に薬剤部科長を拝命したのですが、当時は何をやったらよいかさっぱりわかりませんでした。しかし、科長になった直後に日本医療機能評価機構の病院機能評価に取り組むことになり、皆で一緒になって目標をもって取り組めたことは良かったと思っています。また、入職した年から、東京都病院薬剤師会で他施設の薬剤師の諸先生方と仕事をしてきた経験は、仕事のとらえ方に影響を与えてくれました。
現在は、電子カルテの管理や地域連携についてや行政の方と災害時の対応について話をしたりしています。

プログラミングを様々な業務に取り入れていると伺いました ・・・
独学でプログラミングを勉強し、様々なシステムを作ってきました。現在では 考えられないかもしれませんが、 きっかけは注射剤のボトルにマジックで患者さんの名前を書いていたことです。当時は字が汚いとか手書きゆえの間違いや返却時の字を消す作業をしなくても済むようにシステムを作ってしまおうと思い、プログラミングの勉強して、患者さんのカルテ番号を入れると注射ラベルが印刷されるシステムを作り上げました。今振り返ると大したものではないのですが、その後は現在も使われている化学療法のレジメンチェックシステムやヒヤリハットレポート報告を病院のネットワーク入れ込んだりもしました。 皆さんが使ってくれて、業務の効率化が図れ楽になったと言ってもらえるのはうれしいし、やりがいがあると感じています。実は、プログラミングをするということは使い手のニーズをとらえ、使用時にどのような動作をするか、何を考えるか、どうやったら意味のあるもの、ミスを防ぐことができるかを考える作業の連続で、医療職に必要な考えかたなのではと思っています。

常日頃、心がけていることはありますか・・・
病院という場所は複数の診療科、部門がありますが、クリニックビルのように別々の会社・事業体になっていてはいけません。患者さんを中心に多職種との連携がとても重要です。相手の仕事を信頼し、また信頼されるように私たちの役割に責任を持ち、それぞれが力を発揮できるように、常にバックアップをしたいと思っています。
薬剤師が処方箋はもちろんのこと、患者さんの検査データなどに目を通したということを他職種からみれば、薬剤師なりの判断をしているという期待感があると思います。その期待を背負っていることを忘れずに対応していかなければならないと思います。

薬学部を目指す学生に一言お願いします
最近お会いする薬剤師を目指す学生は目的意識がはっきりしていて、勤勉家が多いと思います。これまで培った知識や見識を役立てるためには、相手に伝え、わかってもらえる力が必要なのでは無いでしょうか。コミュニケーションと簡単に言うことはできますが、簡単に身につくものではありません。学生のうちから気にかけていないと、社会にでるとき、薬剤師になったときに間に合わないかもしれません。薬剤師はいろいろな専門的な資料を読み込み、医療者に対しては適正かつ適切な薬物療法を支援し、患者さんに対してはその方が理解できるように説明すること、が日々行われるからです。物事は言えば伝わるというものではありません。相手の気持ちや考えをとらえ、正しく理解を得る、信用される必要があります。そういった意味でも言葉遣いや態度はとても重要です。理系を目指しているとは思いますが、国語力は必要だと思います。また、若い今のうちから、いろいろなことを経験しておくことは、間接的であっても将来かならず役立ちます。決めつけずに広い視野で成長してください。